むし歯治療
一般歯科とは、むし歯治療を始め、抜歯、歯周病や歯槽膿漏の治療、知覚過敏、炎症の処置など、「歯」の治療全般のことを指しています。当院では、一般歯科治療において心がけていることが2つございます。
まず1つは「患者様のお気持ちや考えをしっかり受け止める」ということ。
お口の中を見て判断するだけでなく、患者様は一体どう感じていらっしゃるのか、お話にしっかり耳を傾けることでより一人ひとりにぴったり合った治療をご提案させて頂くことが出来ます。お口の事で何かお悩み、気になることがありましたらどんな些細なことでも遠慮なくご相談ください。患者様に笑顔になっていただけるよう、最大限の努力をいたします。
そして2つ目は「MI治療」です。
MI治療とは、出来る限り歯を削ったり抜いたりせずに行う治療のことで、「むし歯治療はしたいけど、沢山歯を削られてしまわないか心配」という患者様にも安心して治療を受けて頂くことが出来ます。MIとは英語のMinimal Intervention(ミニマル・インターベンション)の略で、最小限の侵襲を意味しています。歯科治療においては、治療しなければならない歯に対しても、可能な限り削る量を減らし、抜かずに、今お口の中に残っている歯を残してあげるというもので、治療法というよりは治療に対する考え方とも言えます。
痛みの少ない治療
歯科医院というとどうしても、多くの患者様が「痛い」というイメージをお持ちのようです。
お口の中の感覚というのは、肌に感じるものと比べるととても繊細で敏感ですよね。だからこそ患者様にとって「痛みの少ない治療」はとても大切なポイントです。
お子さまの場合、痛み以前に麻酔のための「注射」を怖がったり、不安を感じることも少なくありません。このような不安な心理状態というのは、痛みをより強く感じさせてしまうこともあります。
どんな方法で、どんな治療を行っていくのかということを事前にしっかりご説明し、また、お子さまにはなるべく注射を見せないようにしたり、タイミングや声かけの方法なども工夫し、お子さまが緊張して不安になってしまう前に麻酔が終わっている…このような工夫も大切になります。
更に、可能な限り感じる痛みを少なくするために、麻酔の方法にもこだわっています。
まずは歯茎に表面麻酔を塗って、粘膜が痛みを感じないように麻痺させます。これによって麻酔注射を刺す時の痛みを軽減することが出来るのです。また、麻酔薬を人肌に温め、麻酔液注入の際に感じる違和感を最小限に抑えています。
むし歯の進行状態&治療方法
むし歯は気が付かないうちにどんどん進行して行ってしまいます。そんなむし歯の進行度は「C0~C4」までの5段階で表され、段階によって治療方法も異なります。
手遅れになる前に治療するためにも、定期検診を受けて、痛みのない初期の段階でむし歯を見つけて適切な治療を行ないましょう。
C0(初期)
エナメル質が酸で白く濁った状態や、溝が茶色になってしまった状態の初期むし歯をC0といいます。この段階ではまだ黒くなったり、穴が空いたりはしていないため、見た目ではむし歯だとはわかりにくくなっています。
C0の段階ならばフッ化物が入った歯磨き粉を使い正しいブラッシングを行うことで再石灰化させることも出来るため、普段からしっかりと歯磨きを行ないむし歯が進行しないようにすることが大切です。
C1(中期)
細菌がエナメル質の中まで侵入してしまい、歯に穴が空いてしまった状態の中期むし歯がC1です。穴は空いていますが、象牙質までは達していないためこの段階ではまだ痛みはありませんが、C1まで進行してしまうと再石灰化を期待することはほとんど出来ません。
この段階のむし歯は、むし歯になってしまった部分を最小限だけ削り、保険適用内の白い詰め物で治療を行ないます。穴が広がってしまわないうちに治療を行えば、歯を削る量もそれだけ少なく済みます。
C2(後期状態の初期)
エナメル質を貫通し、その下の象牙質にまでむし歯が達してしまった状態で、後期状態の初期とも言えるむし歯です。象牙質は柔らかいため、治療せず放置することでどんどんむし歯は中で広がって行ってしまいます。すると、冷たい物、温かい物、甘い物などがしみるようになりますが、こうなると歯の神経(歯髄)を取らなくてはいけなくなる可能性が高まります。
範囲が小さければ保険適用内の白い詰め物で治療を行うことが出来ますが、歯の深い部分までむし歯が広がってしまっている場合、麻酔をしてむし歯部分を削り取り、型を取って詰め物を作成・装着して治療を行ないます。
C3(後期状態の中期)
エナメル質、そして象牙質を溶かしてしまい、歯の神経(歯髄)までむし歯が達してしまった状態で、後期状態の中期とも言えるむし歯です。歯の神経にまで到達しているため、炎症を起こしてズキズキと激しい痛みを引き起こします。食べ物がしみたり、歯茎が大きく腫れてしまうこともあります。
この段階まで達してしまうと、歯の根の治療である「根管治療」を行う必要があります。麻酔を行ない、壊死してしまった神経と一緒に膿を取り除き、歯の根の内部をしっかり綺麗に洗い、消毒を行ってから被せ物で治療します。この根管治療は被せ物の土台となる根の治療であり、大切な歯を残すためにも大変重要な治療となります。
C4(末期)
歯がほぼ崩れ落ちてしまい、根だけが残ったこの状態は言わばむし歯の末期状態です。それまではズキズキ激しく痛んでいたのが、ある日突然、痛みが消えてしまいます。もちろん、これはむし歯が勝手に治った訳ではなく、神経が死んでしまい、痛みすら感じすることが出来ない状態になったということです。
C4まで進行してしまうと抜歯が必要なケースがほとんどですが、歯質が治療可能なほど残っていればC3と同様に根管治療を行ない、被せ物で治療をします。